光線療法とは、太陽光線に含まれる光線である紫外線、可視線、赤外線を保健あるいは治療の目的に用いる物理療法です。金属元素を充填したカーボンをスパークして発光した光と温熱を、患者の病態に合わせ素肌に照射する施療法です。元素によって放射する光線は異なりますが、最も太陽光線に近似した連続スペクトルの光線を照射します。また近年、人体に有害とされている紫外線(短波長)は含まれておりません。
光線療法の原理は、病院医療における薬物療法や手術療法とは根本的に異なります。光線療法は、病人のからだを治すことで、病気を治す抵抗力や自然治癒力を高める施療法です。光線の様々な作用により病気が快方に向かい、症状が改善するのと、薬物などの対症療法で病気の症状だけがなくなるとでは、全く異質なものなのです。
病気の原因は、よく外因が重視されますが、患者側の内因が大きく関わっています。病気の真の原因は、常に自分のからだにあることを忘れてはいけないのです。
光線療法は、内因に働きかける施療法ですから、極めて広い応用範囲を持って効果があるのです。
皮膚が紫外線や波長の短い可視線を吸収すると、皮内で光化学反応を起こし光産物(光化学物質)を生成します。例えば、皮内にある7−デヒドロコレステロールをビタミンD3にする働きです。このようにして生成される光産物は未だ作用が明らかでない物質を含めると五十種を超します。この光産物が毛細血管で吸収され、全身を巡り様々な影響を及ぼします。
赤外線と波長の長い可視線には、透過深達性と温熱作用があり、照射部を内部から温める効果があります。照射部に血液やリンパ液を呼び込んで局所循環を改善し、血管透過性を高め、光線療法の重要な作用である消炎鎮痛効果をもたらします。この作用と光線吸収量との間には互いに影響しあう密接な相関関係があります。
可視線が松果体に作用し、松果体ホルモンのメラトニンを介して、自律神経・内分泌系全般を調整していることが明らかにされています。このことから、生体のリズム(体内時計)や周期的な活動と同調し、性成熟に関連し、ストレスに対する抵抗性を高めるなどの重要な働きをいています。
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